免疫を意識して使いたいハーブ『暮らしを彩るハーブの魅力(連載第四回)』

2019.9.9

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岩橋たか子

岩橋たか子 ( ハーブ活用スペシャリスト )

一般社団法人アンフュージョンInfusion代表理事 / ひだまりハーブガーデン&スクール代表
ハーブ活用のスペシャリストとして、ハーブのもつ植物化学成分を日常に効果的でおいしく取り入れるための活動を中心に展開している。

9月に入り、少しずつ夏の終わりを感じるようになりましたね。でもまだまだ日中の暑さは続きそうです。これからは昼夜の気温差による体調管理が難しくなってきますね。

今回は、これから迎える秋冬の季節を元気に過ごしていけるように「免疫」をテーマに、おすすめのハーブをお伝えしていきたいと思います。今から意識することで、体調が随分と違ってきますので、参考にしてくださいね。

免疫とは?カラダのしくみを知ろう!

そもそも「免疫」とは一体どんなものなのでしょう。その文字の通り「疫を免れる」と訳しますが、ここでいう疫とは、病気や何千年も前なら命を奪ってきたペストなどの疫病のことをいいます。

現代では抗生物質のおかげでほとんどの病気は治癒することが可能になりました。抗生物質がなかった時代のヨーロッパではペストが大流行した時に、抗菌力があるハーブやスパイスを腰に下げて常に身につけていたそうです。

ここでいう「免疫」は病原菌やウィルスを体内に入ってこないように防ぐ、あるいは体内に入ってきても戦ってそれ以上のダメージを受けないための仕組みを指します。

私たちのカラダに備わっている免疫といっても、一言では説明できないくらい沢山あります。カラダの表面を覆っている皮膚もまさしくそうで、外部からの物理的な刺激からカラダを守るだけでなく、菌やウィルスの侵入からもしっかりカラダを守っています。皮膚で覆われていない部分の口中、鼻、目などを覆っている粘膜も同様です。

外界の埃や雑菌など比較的大きな物質を最初にフィルターの役割をする鼻毛、上気道いわゆる口内や喉などの粘膜が、体内への病原菌やウィルスの侵入を阻止します。風邪やインフルエンザが流行する時期になると保湿がうたわれますが、体内の粘膜が潤っていれば、ウィルスなどは定着せず発症も抑えられることに起因しています。

もしウィルスなどが体内に入っても様々な免疫作用で、ダメージを最小限におさえています。ですので、免疫力をあげるという事は、まずは粘膜を乾燥から守ることがポイントとなりそうです。私たちは、自分のカラダの仕組みを知ることで、今の自分にとって何をすることがベストなのか?を理解して実行することができるかも知れません。

免疫力は「保湿と保温」を意識する!

インフルエンザが流行する前に、しっかり対応しておきたい免疫力。十分に保湿しカラダを温めることで、今年の冬は風邪をひきにくい健康体になることも夢ではありません!

そう、キーワードは「保湿と保温」です。キーワードとともにハーブをご紹介します。

まず、免疫力のハーブというニックネームをもつエキナセア

紫色の比較的しっかりとした大振りの花が特徴的なハーブです。北米の先住民に使われてきた歴史をもつハーブで、もともとは毒蛇にかまれたときに使われていたもので現在のように免疫賦活に役立つということがわかったのは、ドイツでエキナセアの研究が進んでからでした。

今ではアメリカでもサプリメントの年間の売り上げがトップを占めるまでになっています。そして最近の研究では、免疫にかかわるインターフェロンを活発にさせることも分かっています。

エキナセアは含有成分に多糖類を持ちます。多糖類はカラダの粘膜を保護し、また腸内の環境も整えてくれる作用があるので、免疫の強いサポーターとも言えますね。エキナセアは夏にとてもたくさんの花をつけます。私の自宅の小さな庭には、エキナセアが春になると土から芽を出し、あっという間に沢山の花をつけていきます。

多年草のハーブで、今年でもう5年目になりますが、勢いは変わらず本当に生命力が強いハーブだと感じます。このエキナセアのティーはとても飲みやすいのですが、日本茶とブレンドしても美味しく取り入れることができます。

鼻水や喉の不調にぴったりなハーブは、抗菌力のタイムセージ、そして粘液質やフラボノイドを沢山含むエルダーフラワーになります。またハイビスカスも多くの粘液質をもつので、粘膜保護のポテンシャルが非常に高いハーブのひとつになります。

エルダーフラワー(学名Sambucus nigra )

ハーブの中でも「フラボノイドの女王」と呼ばれるほど、フラボノイド成分を多く含みます。フラボノイド成分の血流を促し体温をあげる作用と、粘液質によるカタル症状(鼻水や喉の痛みなど)による炎症を鎮めるとされています。カラダを温めることで発汗、利尿することから解熱に繋がりインフルエンザの特効薬といわれています。

タイム(学名 Thymus vulgaris )

キッチンハーブとして魚や肉料理でも使われるタイムは「喉のファーストチョイス」と呼ばれています。濃く出したハーブティーをガーグル剤としても活用できるくらい抗菌に優れています。タンニンやサポニンを含むので去痰にも使われるハーブです。

セージ(学名 Salvia officinalis )

ローズマリーに次ぐ高抗酸化のハーブで、抗菌・抗ウィルス作用に優れています。喉の炎症や、料理でも臭みを消すなどに使い方も幅広いハーブです。ソーセージの語源はこのセージから。冷蔵庫がなかった時代に肉を保管するために、抗菌力に優れたこのセージを使ったことが始まりだとか。あと、更年期障害の症状のひとつであるホットフラッシュにも効果的です。

免疫の60~70%は腸にあるといわれ、腸内細菌が免疫に大きく関係しています。腸内環境を整えるという意味でも、食物繊維などの多糖類もハーブをはじめキノコ類や野菜、果物から摂取することをおすすめします。

旬の植物(野菜や果物)が何よりも今の私たちのカラダに必要な成分を持っていることはこれまでにお伝えしました。カラダ(腸)を温め、保湿をする。そしてカラダに必要な栄養をバランスよくとるということが、免疫力を高めることになります。

また「乾燥」するこれからの季節を健康で快適に乗り切るためにぜひ意識したい「ハーブティーは心強いサポーターになるはずです。これまでハーブティーを美味しく感じなかった方も、少しだけ「どんなハーブ?」を意識するだけで、不思議と美味しく感じることができるかもしれません。この秋からぜひ健康アイテムのひとつに加えてくださいね。

最後に、免疫を高めるために外せないのがやはり「休養」です。疲れた心身をできるだけ早めに修復することが健康なカラダづくりの基本。

前回のコラムでも書きましたが、緩める「副交感神経のスイッチ」の切り替えがカギとなりますので、ぜひカモミールリンデンなどをお休み前のリラックスタイムに活用ください。カラダも温まって一石二鳥以上の相乗効果が見込めます。

風邪の予防に欠かせないビタミンC

前回のコラムでもご紹介した「ビタミンCの爆弾」と言われるローズヒップ。これからの乾燥する季節に粘膜を守るためにはビタミンCも必要な栄養素のひとつです。次回のコラムでは、この「ビタミンC」の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。

ビタミンCって一番私たちのカラダで使われるビタミン!楽しみにお待ちくださいね。素敵なハーバルライフを。

文中のハイビスカス、ローズヒップ、カモミール、リンデンのハーブ紹介については、前回コラム「夏バテのメカニズムとハーブ」でご確認ください。

岩橋たか子 のプロフィール

岩橋たか子

ハーブ活用のスペシャリストとして、ハーブのもつ植物化学成分を日常に効果的でおいしく取り入れるための活動を中心に展開している。

スクールでハーブの「ティーレッスン」から資格認定講座などを開催する一方、大学や企業での健康セミナーやイベントなどの講師活動も行っている。ハーブの枠にとどまらず、健康視点のアプローチが最近ではとても人気の講座となっていて、料理のプロではなく「ハーブのプロ」としてハーブ&スパイスを使った「ハーブクッキング講座」なども好評。

また、ハーブを健康や病気予防、美容の為だけでなく生活空間やテーブルを彩り生活を豊かにすることをコンセプトに、企業や協会の会報誌に寄稿、TVやラジオなどのメディアからも常に情報発信している。

さらに、ハーブ関連の商品プロデュースにおいては、健康増進と美容を目的としたブレンドティーやサプリメントなど多くの企業へレシピやアイデアを提供している。


HP→ ひだまりハーブガーデン&スクール


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