水晶から作られる楽器・クリスタルボウルについて『神秘へ誘う不思議な楽器「クリスタルボウル」の世界(連載第2回)』

2019.5.17

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Magali Luhan

Magali Luhan ( 白い倍音の幻術士 )

2005年よりクリスタルボウルの活動をスタート。毎月の定期イベントのほか、各種コラボやリトリート、完璧な暗やみ空間など、全国で演奏を行う、旅するクリスタルボウル奏者。

前回はクリスタルボウルとの出会いについて書かせていただきました。今回は「クリスタルボウル」という不思議な楽器について紹介させていただきます。

クリスタルボウルについて

クリスタルボウルとは、その名の通りボウル型をした楽器です。野球をするときのボール(Ball)ではなく、ホットケーキを作るときのボウル(Bowl)ですね。

クリスタルボウルはシリカという粉を約2000度の高温で溶かして製造しています。シリカが自然界で結晶化すると、いわゆる「クリスタル(水晶)」になるため、クリスタルボウルという名前が付けられました(海外ではクリスタル シンギングボウルという呼び方が一般的です)。透明な見た目でもガラスとは異なりますし、天然の水晶をガリガリ研磨して作っているわけではありません。

さまざまなサイズがあり、小さいものだと直径が15cm程度の手のひらサイズから、大きなものでは直径が75cmというドラム缶のようなものまであります。

マレットと呼ばれる専用のバチで、ボウルの側面を叩いたり、こすったりすると音が出ます。

実は、クリスタルボウルに似た形状の楽器は、私たちのまわりにもたくさん存在しています。お仏壇の前に置いてある金色の「おりん」や、お坊さんが本堂で鳴らす黒色の大きな「おりん」(どちらも名前は同じです)、さらに、クリスタルボウルを上下逆さまにすると、大みそかに叩くお寺の「鐘」と同じ形状をしています。

ヨガスタジオなどに、クリスタルボウルと同じように鳴らす「チベタンシンギングボウル」が置いてあったりします。

おりんや鐘、チベタンシンギングボウルは金属(合金)製ですが、クリスタルボウルはシリカという非常に振動しやすい鉱物から作られているため、とても柔らかく、長い音が特徴です。

また、クリスタルボウルにはひとつずつ音階があります。ギターやピアノのように、音階を変化させる機構を持っていないため、ひとつのボウルにつき、ひとつの音階です。

複数のボウルを音階別に使うことで、「ドミソ」や「ドファラ」のような和音を奏でることも可能です。

少しややこしいのが、クリスタルボウルにはいくつかのバリエーションがあること。

とても大きな、乳白色をしたボウルは「クラシックフロステッドボウル」と呼ばれ、小型で透明なボウルは「クリアーボウル」、小型でカラフルなボウルは「アルケミーボウル」と呼ばれています。

クラシックフロステッドボウルとクリアーボウルはシリカのみで作られていますが、アルケミーボウルはシリカ以外のパワーストーンを混ぜて製造することにより、カラフルな見た目と複雑な響き方を実現しています。

響きの楽器・音色の楽器

世界の楽器は、ものすごく大まかに分けて2つの種類があります。ひとつは、ピアノやギターのように「メロディ」を重視しながら奏でる楽器。もうひとつは、雅楽の「笙」やインドのシタールのように「響き」を重視しながら奏でる楽器です。

メロディを奏でる楽器は、そのメロディの変化によって人々の気持ちを積極的に変えていきます。楽しい曲、悲しい曲、勇ましい曲、いろいろありますよね。

響きの楽器は、メロディの楽器のような積極的なアプローチはできませんが、その響きの中に気持ちを委ねることで、深い精神の世界へと入っていきます。お仏壇の前にあるのがピアノではなくおりんだったり、年越しの静かな気持ちにより添うのが除夜の鐘だったりするのは、深い精神の世界へと入っていけるからでしょう。

クリスタルボウルは、おりんや鐘と同じように「響き」を重視しながら奏でる楽器です。ボウルごとに音階はあるけれど、メロディを細かく演奏するのではなく、「こーん」「ほわーん」というような深くて長い音を味わいます。

この、深くて長い音を味わうイベントを「クリスタルボウル・ヒーリング」や「サウンド・バス」と呼んでいます。音による癒やし・サウンドヒーリングのひとつです。

クリスタルボウルの音色に包まれると

クリスタルボウルの音色に包まれると、眠っているような、起きているような意識の状態になり、身体の緊張がすーっと解けて、深くリラックスできることがあります(体験には個人差があります)。

この体験はほかの楽器ではなかなか味わえません。なぜ、クリスタルボウルは特別なのでしょう?

まず、クリスタルボウルはとても美しい音色を持っています。美しい響きは、自然と気持ちを穏やかにしてくれます。明確な変化のあるメロディを演奏するのではなく、深くて長い音が繰り返されることで、意識はゆったりと穏やかな状態に誘導されていきます。

次に、クリスタルボウルは大きな音圧を持っています。音の振動が身体にビリビリと来るほどです。大きな音圧は身体の内側にまで振動を届け、マッサージのようにほぐしてくれます。

そして、クリスタルボウルは「感覚共振」の状態を作り出します。「心地よい」という感覚に、心身が共振した状態です。

これは、赤ちゃんの「寝かしつけ」をイメージしていただくと分かりやすいです。

寝かしつけるとき、身体をポンポンとやさしく叩くことがありますよね。もし、その叩き方が痛いほどに強かったり、叩くリズムがバラバラだったり、すぐに叩くのをやめたりしたなら、きっと赤ちゃんは眠ってくれないでしょう。

やさしい力で繰り返し繰り返し叩き続けることで、「私はあなたに危害を与える存在ではないよ。ここも安全で安心できる場所だよ」ということを伝えていき、そのやさしさに包まれることで、赤ちゃんが持つ強い生存本能の緊張がほぐれて、すっと眠っていきます(寝付きの悪い子もたくさんいると思いますが、例として)。

クリスタルボウルの演奏も同じように、心地よさに共振し、緊張がほぐれることで深く心身へとアプローチすることができます。そのため、ヨガや瞑想を補助するBGMとして使われることも多いです。

クリスタルボウルの生演奏を体験してみませんか?

クリスタルボウルはYouTubeやCDでも体験することができます。しかし、前述の理由から、やっぱり生演奏の体験は極上です。私も日本全国で演奏活動を行っているので、ご興味ありましたらお気軽に遊びに来てみてください。

最後に、いつものお断りです。

クリスタルボウルはとても歴史の浅い楽器です。演奏者によって、使用しているボウルの種類や演奏方法が大きく異なることがあります。シンプルに言えば、私の演奏と、他の奏者の演奏はまったく違うこともあります。できれば、なるべくたくさんの演奏に触れていただいて、その中から好みのものを選んでみてください。

きっと、よりよい未来につながると思います。

次回は、クリスタルボウルが活用されているさまざまなシーンをご紹介させていただきます。

Magali Luhan のプロフィール

Magali Luhan

00年代初頭から、古代のシャーマンや精神探求者が追い求めた世界を夢見て、さまざまな手法を用いて深い意識やヒーリングへのアプローチを行う。

そこで得られた体験とクリスタルボウルの体験が非常に近いことに衝撃を受け、2005年よりクリスタルボウルの活動をスタート。

毎月の定期イベントのほか、各種コラボやリトリート、完璧な暗やみ空間など、全国各地で年間100回を超す演奏を行う、旅するクリスタルボウル奏者。

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