明晰夢で人生を変える②(前編)~明晰夢とは~

2019.4.5

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マーク・ケイ

マーク・ケイ ( 占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

明晰夢で人生を変える①では「睡眠」と「夢」の関係性を中心にお話を進めました。

今回も前編・後編に分けて「明晰夢 -Lucid Dreaming-(めいせきむ)」についてお話をしたいと思います。

明晰夢とは

人は「夢を見る」という表現をします。

あたかも映画館で観客の一人としてスクリーンに映し出される、自分が主人公の映画を観ているというような表現です。

どこか傍観者的、客観的、無意識的であるともいえます。実際には客席に座っている自分と、スクリーン上の自分は一体であって、主観はスクリーン上の自分にあります。

ゲームの世界でいう「主観視点」によってそのストーリーの中の登場人物となり、夢を垣間見るわけです。

ゲームでは自分がコントローラーを手に持って自在に行く場所も、次に取る行動も決められますが「夢を見る」という感覚の「夢」では、例え「主観視点」を持っていたとしても、コントローラーを手放し、まるでサンプルムービーやシュミレーションを眺めているというような感覚なのです。

決して「夢を体験する」「夢を生きる」「夢で行動する」などと表現しないのは何故でしょうか。

「明晰夢」はまさにイキイキと「夢を生きる」ことであり、コントローラーを手に取って、自発的に、能動的に、自分で夢を主導することなのです。

もっと他の表現で「明晰夢」を考えてみましょう。

「明晰夢」とは端的に言えば「夢の中で目覚めること」だと言えるでしょう。

「明晰夢」について初めて知ったという方は「眠った状態で見るのが"夢"であるはずなのに、"夢"の中で"目覚める"とは矛盾した話しだ」と思われるかもしれません。

もう少し踏み込んで「明晰夢」について説明したいと思います。

私達が普段、夢を見ている時というのは、夢の中のストーリーに流されてしまい、それがあくまで"夢"の中で起こっている出来事であるという認識は希薄か、全くないかのどちらかです。

空を飛んでいる夢を見ている時は、本当に空を飛んでいると感じて自分がスーパーマンのようなヒーローになった気分で心地良く空を舞っているでしょう。

また、誰かに追われている時は、本当に追われているものと感じて、追いつかれたら殺されるのではないか、酷い目に遭わされるのではないかという恐怖に支配され、必死の思いで逃げていることでしょう。

空を飛んでいる夢を見ている時に「これは夢なのだから、自分の好きな場所に行って、会いたかった人に会ってみよう、現実には行けない場所に行ってみよう」などとは思わずに、ただ漠然と空を飛んでいるでしょうし、誰かに追われている時に、敢えて立ち止まってみて「これは夢なのだから、追いかけて来る相手がどんな奴か見定めてやろう」などとは思わずに、ただ訳も分からず、ひたすら逃げ惑っていることでしょう。

「明晰夢」の中では、"明晰に"自分が自分であるという認識があります。

つまり目覚めている時にある自分自身の機能(認知、記憶、知識、思慮など)が完全に保たれたままなのです。

明晰夢の状態

スタンフォード大学の神経生理学者で明晰夢研究の第一人者であるスティーヴン・ラバージ教授の「明晰夢 夢見の技法」によると「明晰夢」とは以下のような状態のことを示します。

「(起きている時のように)はっきりと考えられる」

「目覚めている時の生活については細部に至るまで自由に思い出せる」

「意識的によく考えた上で慎重に行動することが出来る」

「夢の鮮明さが損なわれない」

先ほど挙げた例で考えてみましょう。
空を飛ぶ夢であれば、せっかく空を飛ぶシチュエーションにいるのだから、覚醒中の自分の実際の現状では海外旅行に行くのは困難であるけれど、憧れの場所はずっとマチュ・ピチュで一度訪れてみたいと思っていた。

だったら、この夢を利用してマチュ・ピチュに行ってみよう、最近見たニュースでは隠し扉があって、その奥には地下へと至る階段があることが分かったと聞いた。

その地下に何があるのか見てみよう!

そう夢の中で考えることができ、しかもそれを実行するのか、しないのかも自分の判断で決められ、もし実行に移した場合は、そこで見る景色はまるで現実と見まがうような鮮明さなのです。

もしこのマチュ・ピチュ訪問を空を飛んで実現させたとします。

夢であることには変わりありませんから、現実では考え及ばないハプニングが起こることだってあります。

運良く隠し扉に辿り着いて、その奥に地下へと続く階段を見つけることができ、その階段を降りようとしたとします。

しかし突然、地響きが鳴って足元が大きく揺れ始め、大小の岩が頭上に降り注いできます。

明晰夢の中ではこうした突然のハプニングに陥ったとしても「これは夢なのだから、実際には危険はない。恐れずに堂々として、目的地へ急ごう」そう思えば、降り注いでいた岩も、嘘のように消え去り、揺れ動いていた地面もピタリとその動きを止めます。

これが「明晰夢」ではない、普通の夢であれば、こうした場面に出くわしてしまうと恐怖におののき、命乞いをするのかもしれません。

(夢の中で不意のハプニングに襲われ、危険を感じた時に「これは悪い夢だ!目覚めなければ!」と思い、夢から目覚めたことがある人は多いでしょう。これは「明晰夢」の入口に立っている状態であり、完全な「明晰」状態であるとはいえません。何故ならこの場合、夢の中に留まりながら危険を回避することが出来るからです)

そう「明晰夢」とは「夢を見ている」という完全な自覚を保ちながら見る「夢」のことを言うのです。

「明晰夢で人生を変える」そう、この記事のタイトルでは謳っています。

皆さんは、ただリアリティのある楽しい夢が見られるというだけではないか、それが現実にどう影響するというのだと疑問をお持ちになることでしょう。

明晰夢は習得可能

スティーヴン・ラバージ教授は「明晰夢」は誰もが習得可能であり、この技術を習得すれば、もっと素晴らしい「見返り」があると主張します。

例えば・・・

「人格的成長」
「自己啓発の推進」
「自信を深めること」
「心身の健康の増進」
「創造的に問題を解決する能力の推進」
「自己統制への道を進む」
「願望実現」

といったことが実現可能だというのです。

前回お話をした「セノイ族」も、見た夢を深く想起し、家族で語り合い、共有することで、さらに「明晰夢」を見易い状況になり、現実の世界にもその効果を反映させて行くという流れがあったことを思い出します。

大事なことは「覚醒時の生活」と「睡眠中の生活」をリンクさせることに尽きます。

「明晰夢」を見ている時に得た知識、見聞などは、覚醒時の生活にも活かされ、また覚醒時の生活で学んだこと、培ったこと、体験したことは、「明晰夢」を見ている時にも忘れることはなく、有意義な形で活かすことが出来ます。

「明晰夢」ではない、通常の夢しか見ていない人は、「覚醒時の生活」と「睡眠中の生活」との繋がりを欠いている状態であり、それぞれで見ている景色、世界は曇ったメガネをかけているように映るでしょう。

夢を思い出すことも困難であり、思い出しても断片的であったり、ぼんやり歪んだものでしかないはずです。

スティーヴン・ラバージ教授は、これは2つの人生を生きるか、1つの人生を生きるかに等しいと言います。

「例えるなら、暦の月の奇数日と偶数日がなんらかの理由で、あなたの中で関連性を持たず、あなたが思い出すことの出来るのは、自分の過去の半分(奇数日か偶数日のいずれか)の考えや行動であると考えてみて欲しい、そのことがそんなに悪いことなのか、答えはあなたに任せよう」

「明晰夢」を見ることが出来るようになった人々は、これまで見ていた通常の夢の状態を「人がまだ子供であるようなレベル」であると言い「私はこれまで目覚めたことがなかったのだ」とも言います。

「明晰夢」を見ることで、私達の人生は倍に拡大し、起きていても、寝ていても、明晰さを保つことができ、クリアーに世の中や、自分自身を見渡せるということなのです。

「夢」という概念の把握

私達は成長の過程で、どのように「夢」という概念を習得しているのでしょうか。

発達心理学者のジャン・ピアジェによれば、子供は3つの段階を経て夢を理解するのだそうです。

・第1段階(3歳~4歳)
夢と現実の区別がつきません。
前回の記事でも書いていますが、夢の中で怪物に襲われたとしたら、目が覚めても夢の中に現れた怪物が子供部屋のどこかに潜んでいて、自分のことを見ているのだと信じています。
つまり夢が自分の日常のその他の体験と同じ(外部の)世界で起こるものだと理解しています。

・第2段階(4歳~6歳)
散々親から、怪物は夢の中にだけ存在するもので、現実にはいないのだと言い聞かせられていますから、子供はそういった親の教えに基づいて夢への考え方を改めて行きます。
怪物が現実にはいないことは理解出来ていますが、「夢」についての理解は希薄です。
この時期は夢を一部分では外的なもの、一部分を内的なものであるかのように扱い、理解しています。
夢はどこから来るのかと聞かれたら「自分の頭」と答え、夢はどこで起こっているのかと聞かれたら「自分の部屋だ」と答えるでしょう。

・第3段階(5歳~8歳)
夢が完全に内的なもの、つまり自分の頭の中で起こっていること、心的な体験だと理解し始めます。

「明晰夢」は夢が心的体験であるという理解が必要です。
よって5歳から8歳になる頃には「明晰夢」を見ることが出来るといえます。 

 

さて、次回は明晰夢の習得・効果についてお話させていただきます。
「明晰夢で人生を変える②(後編)~明晰夢習得方法・効果~」へ続きます。

参考文献

「明晰夢 夢見の技法」スティーヴン・ラバージ著
「みたい夢をみる 明晰夢の技術」チャールズ・マックフィー著
「ドリーム・テレパシー」M・ウルマン+S・クリップナー+A・ボーン著
「夢を操る - マレー・セノイ族に会いに行く」大泉実成著
「臨死体験」立花隆著
「The Lucidity Institute」Website
「Dream Doctor - Making sence of your dreams」Website

マーク・ケイ のプロフィール

マーク・ケイ

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事に始まり、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で社会問題からオカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。のちにひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動を行う。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた占術『篁霊祥命』や独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2019年で鑑定活動は14年目を迎える。

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