鳥居とは何か?⑦ 〜古代エジプトと、UFO 〜 鳥居という異空間への入口、そのコスモロジーと深淵

2020.6.15

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マーク・ケイ

マーク・ケイ ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

「鳥居」の語源は「鳥」が関係している?

『鳥居とは何か?』第一回で、鳥居の起源について、海外、国内を発祥とする様々な説をご紹介しました。

とくに語源に関しては、「鴨居」や、古事記に記された常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)」を起源とする説など、「鳥」が関連しているとする説はとても多く存在しています。

鳥が飛ぶときは足をかくす、地に居るときは二足を立てる。その状態が神門に似ているので、鳥居という説(『毎事問』、『斎居通』)や、天の岩戸の故事にならい、神前に幣帛の一種として鶏を供えることが行われるようになったため、この鶏の止まり木を「鳥居」と呼ぶようになったという説(『嬉遊漫筆』、『傍廂』)など、鳥居の語源を「鳥」に見出そうとする動きは、古くからありました。

『鳥居(河出書房新社)』の著者、谷田博幸氏は著書の中で

「「鳥居」と書くからには、きっと何か鳥との接点・関連性があるはずだ、いや、なければならない、という発想のありよう自体が、すでに神社の門が「鳥居」と表記されるに至った真相というものをかなり早い時期から人々が完全に見失ってしまっていたことを如実に物語っているように思われる」

と書いています。

しかし、私は単純な人間なので、どうしても鳥居の語源には、鳥が関連していると考えてしまうのです。

「死者の書」に描かれた鳥と門

鳥は古来から、「人の死=不可視の世界」と「人の営み=可視の世界」を横断し、繋ぐ役割を担っています。

古代エジプトでは、人間の霊魂は「イブ(心臓)」、「シュト(影)」、「レン(名前)」、「バー(魂)」、「カー(精神)」5つの要素から形成されていると信じられてきました。

この「バー(魂)」を象徴するのが、人の頭を持った鳥で、古代エジプトの「死者の書」にも描かれています。「バー(魂)」は人の死後に肉体から抜け出し、あの世とこの世を自在に行き来する存在なのです。

大英博物館 / Public domain

「死者の書」第125章には、死者である書記生アニの審判の模様が描かれています。犬の頭をもつアヌビス神がアニの心臓と、法と真実の象徴であるマアトの羽根(真実の羽根)を秤にかけています。

秤の左には、アニの墓の門(!)の上に、アニの「バー(魂)」が立っており、自らの審判を見届けています。

ここでお気付きのように、すでに古代エジプトの「死者の書」の中に、「門に止まった鳥」が描かれているのです。まさに「鳥の居る門=鳥居」です。

「死者の書」は紀元前16世紀の成立とされていますから、この頃から人は、「門」は生と死の境を表し、「鳥」はそれを往来する存在であると見て、「門と鳥」を一つの構図の中に描きだしたのではないかと思われます(審判中であるがゆえに、冥界、俗界のどちらにも羽ばたけずに、門に留まっている?)。

「鳥居」が「鳥居」と呼ばれるようになったのは、10世紀半ば頃からといわれていますが、結界としての「門」と、「鳥」が結びつくのは、人類共通の集合的無意識といいますか、言葉や文化の壁をも超えた、もはやDNAに刻まれた、思考の必然性に他ならないとさえ感じるのです。

古代の地球に飛来したUFO

少し(いえ、かなり?)、飛躍して考えてみます。

突拍子もない話であるかのように思われるかもしれませんが、しばし、お付き合いください。

アメリカの空軍士官学校には「宇宙科学入門第2巻(INTRODUCTORY SPACE SCIENCE VOLUME2)」と題された教科書が存在します。

この教科書の第33章は、UFOに関する内容が書かれており、第33章6節には、地球には約5万年以上前から他の惑星から異星人が訪れていること、その異星人は4種類の異なったグループであり、このうちの3種類についてはすでに確認(政府とのコンタクトや、交渉)が取れていると書かれています。これは噂レベルの話ではなく、事実です。

将校を輩出するためのエリート養成機関である空軍士官学校で、このようなことが教えられている事実にも驚きですが、こうした公的機関が裏付けのない事象をテキストに書き込んで、生徒に教えるわけはないのです。

世界各地では、その時代の科学レベルや、文化風習とそぐわない、非常に高度な構造物や、建築物、遺構が発見されており、これを「オーパーツ」と呼んでいます。コロンビアの黄金のスペースシャトルや、アステカの水晶髑髏、ペルーのナスカの地上絵などがそれです。

出典:EXPRESS.CO.UK

この時代に、こんなものを作れる文明や、科学技術が存在するはずがない!、そんな遺物が世界各地に存在しています。5万年以上前から地球を訪れていた異星人たちは、この地球に高度な文明を築き、人類の進化に大きな影響を及ぼした可能性もあります。

5万年前といえば、文化人類学者のいう「進化の大躍進」が起こった時期と重なります。洞窟に壁画を描くようになり、衣服を作りはじめ、死者を手厚く埋葬し、あの世に送るための宗教的概念を構築し始めます。これらの「大躍進」が、異星人と何らかの関わりがあるとしたら・・・

ヒストリーチャンネルで放送されている「古代の宇宙人」をご存知でしょうか。この番組は、古代の壁画などに残されているUFOや異星人の痕跡を取材、調査するドキュメンタリー・シリーズです。

研究家の間では、古代に飛来した異星人の手によって、私たち人類が作られたのではないかとする説も根強くあります。つまり、私たち人類の創造主は他の惑星からやって来た異星人であるというわけです。

それはさておき、古代の人々がもし、飛来したUFOを目撃した時、見たままを繊細に写実するのではなく、空を駆ける鳥として抽象的に描く可能性はありますし、紀元前には地球外に知的生命体が存在するかもしれないという概念すらないわけですから、それはあの世から、この世に訪問して来た神霊や、先祖たちであると考えてもおかしくはありません。

異星人は、自分たちの地球訪問の痕跡を、現代に間接的な手法で伝えるために、古代の人々に壁画を描く知性や、発想力を与えた、そうした人類を自分たちの手で作り出したのかもしれません。

前回ご紹介した「泉州磐船神社」のご祭神である「饒速日命(にぎはやひのみこと)」は、数多くの神々を従えて「天の磐船」といわれる空飛ぶ乗り物に乗って天降りましたが、この「天の磐船」も古代に飛来したUFOであるとする説があります。

磐船神社の巨石(天の磐船)

Nagahashi Matajirou (Artist) / Public domain

また、日本全国には「虚船(うつろぶね)」といわれる謎の物体が漂着、目撃される民間伝承が数多く残され、史料や図版も今に伝わっています。

最も有名なのは享和3年(1803年)に常陸国、現在の茨城県(神栖市・波崎舎利浜)に漂着した「虚船」です。史料には、鉄で出来た丸い物体で、窓があったことや、船体に文字のようなものが書かれていたこと、船内には箱を持った異国の女性らしき人が乗っていたことなどが書かれています。

江戸時代にもなると、こうして比較的忠実に見たものを写実し、詳細な記録を残しておくという発想や技術が醸成されているのですが、古代エジプトの時代や、日本神話が成立する時代は、目の前に繰り広げられた事実を、自分たちがすでに有している宗教観や、信念というフィルターを通し、デフォルメして残していたのです。

構造物としての鳥居の起源については諸説入り乱れ、真実に行き当たるのは難しい状況です。

一方の「鳥居」という言葉の語源・字義については・・・古代の地球に飛来したUFOと、それがもたらした高度な地球外文明が、のちに古代エジプトの「死者の書」や、当時の壁画などに象徴的に描かれた。死者と鳥とを結びつける端緒の一つが、書記生アニの「バー(魂)」が墓の門に止まっている場面となった。

そうした古代の記憶が、連綿と長い時間をかけて日本にもたらされ、「鳥居」というワードが作られた。

いえ、鳥居という存在さえも、地球外の知的生命体とつながるためのツールだったとしたら!

そんな壮大な想像をしてみたりするのでした。

「死者」と「鳥」

日本の古墳からも、よく鳥型の木製品や、埴輪土製品が出土することがあります。

古墳名にも鳥の名がつく「鶏塚古墳(栃木県真岡市)」や、「百舌鳥(もず)古墳(大阪府堺市)」などがあり、「鶏塚遺跡」では実際に、鶏型の埴輪が発掘されています。

昔は幼児の死を「トリツバサになった」「トリツバサにする」「鳥に飛ばす」「鳥が飛んだ」という表現をしたといいます。

幼児の葬式はせず簡単に済ませ、墓にも埋めず早く別のものに生まれ変わってほしいという切実な思いから、供養もしなかったそうです。日本では古来、人は生まれ変わると鳥になると信じていたのです。

大昔には、葬式の次の晩に盆に灰を敷き、翌朝には灰の上に鳥の足跡がつく、これによって死後、見送った故人が鳥になったことを確認していたという伝承もあります。

日本では亡くなった故人が鳥になり、古代エジプトでは亡くなると人頭の鳥「バー」になって異界へと旅たつのです。

神社の眷属には、烏、鶴、鳩、鷺、梟、鷲、鷹などがおり、神の使いとして、神々の住まう聖なる領域と、私たち人間が住む世俗の領域を行き来します。また、チベットの鳥葬では故人の遺体をハゲワシなどに食べさせて天へと送り届けようとします。

時代や、お国柄の差はあれど、「鳥」は、「異界への案内人」であることに変わりはありません。

「鳥」がなぜ、そのような役割を担っているのかといえば、それは「空を飛ぶ生き物であるから」、そして空を飛ぶために必要な「羽根」をもっているからだと想定できますが、「鳥」同様に、人が死んだ後に変化するといわれる「蝶」は、なぜ「鳥」に成り代わって、古代エジプトの壁画や、「死者の書」に描かれなかったのでしょうか。

「鳥居」であって、どうして「蝶居」とはならなかったのか。

AGLAでも「蝶はあの世からの使者?不思議な蝶が伝える「死」と「再生」のメッセージ」や、『蝶にまつわる世界で最も美しい物語『 四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第四十四回)』といった記事で「蝶」を取り上げています。

「プルーフ・オブ・ヘブン」の著者で、脳神経学者のエベン・アレグザンダー氏は、臨死体験中に蝶の羽根に乗った女性と会話しています。

人は古来より、「鳥」のさえずり、鳴き声で朝の訪れを知り、渡鳥の往来で季節の移り変わりを知ります。時には貴重なタンパク源として、その肉を食します。危険を感じれば、外敵から身を守るために大空へ飛び立つことのできる「鳥」への憧れもあったのかもしれません。

「蝶」より、「鳥」の方が、人間の生活にさらに密着した存在であったからでしょう。

ありふれた「鳥居」という存在

第一回の冒頭でも、「鳥居」とは "ありふれた" 存在であり、日頃の私たちは、それを強く意識することがないと書きました。

しかし、「鳥居」がこれだけ私たちの生活の中に根付き、日本中のいたるところに存在し続けている事実を思えば、神社の本殿に恭しく鎮座されている神様と同様に、重要な存在であり、深い意味と意図を持つものであるはずだという気持ちに至るのです。

今回は、読者の皆さんの想定を超えた「古代エジプト」「UFO」などのお話も交えました。神という存在を考える時、私たちの思考を遮るのは、柔軟性を欠いた決めつけです。無謬(むびゅう)性を克服した先に、真実につながるヒントはあります。

神社の門としてだけ捉えていれば、第一回でご紹介した「広島・護国神社」や「長崎・山王神社」、「仙台・浪分神社」などの不思議は、なかなか許容できるものではありません。しかし、それは確かに起こっているのです。

人が注目したり、重視しない、ありふれた「鳥居」という存在一つとっても、それを深く、深く思考することによって、それは一気に眩いばかりの崇高さを帯びてくるのです。

全7回に渡って、鳥居の起源、構造、分類、また全国の変わった鳥居の数々をご紹介してきました。ここで一旦、終了とさせて頂きます。

鳥居とは本当に奥深いもので、まだまだ語り足りない部分もありますが、またの機会に譲りたいと思います。次は、また違った切り口で鳥居をご紹介できたらと思っています。

今回のシリーズで少しでも、鳥居に興味を持っていただけたのならば幸いです。

鳥居とは何か?① 〜鳥居の起源と、不思議
鳥居とは何か?② 〜 鳥居の分類と構造〜 【明神系鳥居・前編】+ 不思議な鳥居の夢
鳥居とは何か?③ 〜鳥居の分類と構造〜【明神系鳥居・後編】+ 天と地を分ける銀座の社と、街に点在する鳥居
鳥居とは何か?④ 〜鳥居の分類と構造〜 【神明系鳥居・前編】+ 行ってみたくなる、変わりダネ鳥居
鳥居とは何か?⑤ 〜鳥居の分類と構造〜 【神明鳥居・後編】+ 行ってみたくなる、(続)変わりダネ鳥居
鳥居とは何か?⑥ 行ってみたくなる、(続・続)変わりダネ鳥居

参考文献

『鳥居 百説百話』川口謙二、池田孝、池田政弘著 東京美術
『鳥居』谷田博幸著 河出書房新社
『俗信のコスモロジー』吉成直樹著 白水社
『UFOとローマ法王、そして自然栽培 空飛ぶ円盤で日本を変えた男』高野誠鮮著 学研プラス

マーク・ケイ のプロフィール

マーク・ケイ

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事に始まり、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で社会問題からオカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。のちにひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動を行う。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた占術『篁霊祥命』や独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2019年で鑑定活動は14年目を迎える。

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