意識の遊覧飛行 〜体外離脱は第二の生を証明するのか?〜

2019.6.17

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マーク・ケイ

マーク・ケイ ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

皆さんは「体外離脱」という現象を信じていらっしゃいますか?

体外離脱とは自分の肉体から意識が抜け出す体験のことをいいます。英訳すると「Out of Body Experience (OBE)」となりますが、現在では「アストラル・プロジェクション / アストラル投射(Astral Projection)」と呼ばることも多くなって来ました。体外離脱(OBE)とアストラル・プロジェクションは厳密な意味では異なります。

体外離脱といった場合、睡眠中や臨死体験などによって、"意図せず意識が肉体から抜け出す"体験を含むのに対し、アストラル・プロジェクションは"意図して「アストラル体」を肉体から分離させる"という前提条件があります(一般的によく耳にする「幽体離脱」はアストラル・プロジェクションに近い表現といえるでしょう)。

「アストラル」とは直訳すれば「星の...」となりますが、神智学の創始者であるヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー、哲学者のルドルフ・シュタイナーといった神秘主義思想の巨人たちが、この「アストラル」という用語を(学派や思想体系により解釈の差はあるものの)人間の「意識体」という意味で用いています。

神秘主義思想において、人間の体はいくつかの層に分けられるとされます。その層の種類や数、性質などもまた学派により異なりますが、共通するのは「肉体」「エーテル体」「アストラル体」の3つです。

エーテル体とは分かりやすくいえばオーラにあたり、肉体とアストラル体を結びつける役割を担っています。アストラル体人間の情緒や感覚を司り、「精神的身体」とも言い換えることが可能です(肉体は「物質的身体」、エーテル体は「霊的身体」となります)。

一般的には「荒唐無稽な話」として一笑に付されがちですが、世界各国の政府機関や各大学などが長年この分野の研究を行なっており、膨大な検証、実験データが蓄積されています。もはや「信じる」「信じない」の範疇を超えたものなのです。

体外離脱は"軍事利用"されていた!?

CIAが機密解除したアストラル・プロジェクションについて書かれた文書

体外離脱は超心理学といわれる学術分野に属しています。ESP(超感覚的知覚)、テレパシー、透視、催眠、RV(リモートビューイング)などがその一部であり、相互に関連しあっています。これらは人間の意識と量子物理学の研究に関係します。

アメリカと旧ソ連(ロシア)は体外離脱に関する研究を国家ぐるみで推進して来たことで有名です。この両大国が何故に体外離脱を研究する必要があったのでしょうか。それは軍事利用のためです。

数十年前にアメリカ公衆衛生局(United States Public Health Service、略:PHS)の医療情報局が作成した実際の文書には、ソ連で既に体外離脱によって肉体から意識を離脱させ、敵国政府の重要施設に侵入し、極秘文書を読んで情報を母国に送り返すという実験が行われていると書かれています。(アメリカ国防情報局(DIA)はソ連が実際に、米軍の最高機密文書の内容や、米軍部隊や船舶の動きを読み取ったり、米軍基地の正確な位置の発見のために、それらの技術が使用されたと結論付けています)

時は冷戦の最中、ソ連のこのような体外離脱などの研究とその成果に焦りをつのらせたアメリカ政府は、世界で最も大きく優れた科学研究機関であるスタンフォード研究所と組んで「スターゲイト・プロジェクト(Stargate Project)」をスタートさせます。

「スターゲイト・プロジェクト」は体外離脱による遠隔透視(RV)の軍事利用を目的とした各種の実験・研究や、超能力者の養成を行いました。行方不明者の公開捜査を行う日本のテレビ番組に「FBI超能力捜査官」として出演し、一躍日本でもその名が知られることとなったジョー・マクモニーグルは、このプロジェジェクトの被験者第一号です。

このプロジェクトで1972年、インゴ・スワンという能力者が木星の環を透視しています(私たちが知る木星の環の公式な発見は1979年、ボイジャー1号によるものです)。

【CIAの機密指定解除を受けたアストラル・プロジェクションに関する公式文書】
ASTRAL PROJECTION CAPER
Analysis and assessment of gateway process
SOVIET AND CZECHOSLOVAKIAN PARAPSYCHOLOGY RESEARCH

ロバート・A・モンローの体外離脱体験

アメリカの超心理学者であるロバート・A・モンロー が自身の体外離脱体験を著した『体外への旅 (Journeys Out of the Body)』、『魂の体外旅行 (Far Journeys)』などの著作を発表したことで、体外離脱は世間一般にも広く認知されるようになりました(モンローの体外離脱体験は実に589回にも及びました)。

モンローは自身の体験を元に客観的、かつ統計的な分析、研究を進め、後に「モンロー研究所」を設立。「Hemi-Sync(ヘミシンク)」と呼ばれる特殊な音声技術によるイメージ誘導で体外離脱を体験出来るプログラムを開発しています(米国にて特許も取得されている)。

モンローは体外離脱を経た意識は3つの場所を訪れることが可能だったと言います。

①「ローカルⅠ」…この世

私達が普段生活している、いわば「この世」と言ってもいい場所です。肉体を抜け出たモンローは友人に会いに出掛けています。

最初は私達が普段、街中の通りを歩くように「第二の身体(モンローは体外離脱している時の自分の意識をこう呼んでいます)」を移動させていましたが、会いたいと思う相手をイメージすると一瞬でその人の元に移動出来ることに気付きます。

また好奇心旺盛なモンローは、第二の身体で女性の友人に会いに行った際、この友人の身体をつねっています。後日、この友人に確認するとモンローがつねった同時刻に、つねられたような痛みを感じたことを証言しています。

②「ローカルⅡ」…「死後の世界」「霊界」

ここは「死後の世界」「霊界」といっても良い場所で、そこにいる存在は肉体を持たず、思考と想念によって形成されています。さらに過去と現在と未来が交錯した、時間の概念すら希薄な世界でした。モンローはこの場所で亡き父や、亡くなったばかりの友人と会っています。見た目はほぼ現実の世界と変わりません。

③「ローカルⅢ」…「反物質」の世界

この世界も現実とそっくりです。モンローは「反物質」によって出来ていると表現しています。この他にも彼の著書には肉体と第二の身体は、どこまでも伸びるコードで繋がっているという興味深い話しも出て来ます。

他にも17世紀のスウェーデンの科学者であるエマヌエル・スヴェーデンボリ(日本ではスウェーデンボルグと訳される)も体外離脱によって霊界を見聞し、それを多くの著作に著し発表しています(大英博物館に収蔵されている)。

The Monroe Institute(モンロー研究所公式サイト)

私の体外離脱体験

実は私も、体外離脱を体験したことがあります。

最初の体験は10代の終わり頃のことです。まどろみの直後に浮遊感を感じました。まるで無重力状態の宇宙ステーションの中で横たわっているかのようです。この時、実際に目が開いているのではないかと思われるくらいに、少しずつ天井が目の前に迫って来るのがハッキリと見えています。

ついに天井が目の前、30cmほどに迫って来た時に、言いようもない恐怖が襲って来ました。

「これはきっと "体外離脱" というやつだ!この状態で何か得体の知れない存在を見たりしたらどうしよう、肉体に戻れなかったらどうしよう...」

私は必死で目覚めようと試みました。それに呼応するように、浮遊した意識がストンっと落下するような感覚がして、次の瞬間、私は布団の中で目覚めました。

それ以来、私はかなりの頻度で、この浮遊体験をしました。その度に、恐怖と不安でいっぱいになり、肉体に戻ってしまいます。このことがあってから、恐怖と不安を払拭するためにも、モンローを始めとする体外離脱に関連する書籍をたくさん読み漁って知識を詰め込みました。

体外離脱...それは恐れる必要などなく、肉体に戻れないなどということはないこと、それ以上に好奇心を持って臨めば未知の世界を垣間見ることが可能なのだと知ります。しかし、あの独特の浮遊感は何とも心許なく不安に陥るものであり、恐怖を拭えませんでした。

時には、視線を少しだけ横にずらし、消し忘れたテレビに深夜番組が映し出されているのが確認出来たり、読みかけの雑誌がテーブルの上で開かれているのが見えたりもしました。しかし、天井近くに漂いながら、少しだけ視線をずらして周囲を見渡す以上の行動がどうしても取れません。

天井すれすれまで上昇しては、恐怖と不安に抗えずに、すぐに肉体に戻るという経験を何度も重ね、数年ほど経過したある日、やっと勇気を振り絞って次なる行動を取ったのです。いつものように意識が天井まで達した時に、自らの体をよじって体を反転させたのです。

すると、自分が布団で寝ている姿が見えたのです!これでこの体験が本当に体外離脱なのだと確信しました。自室のインテリアも、布団の柄も、全て現実通りで、鮮明です。

この段階に来ると、恐怖と不安よりも少しずつですが好奇心が勝って来ました。その勢いで、外に出てみようとしました。しかし、その日はそれ以上移動することが何故か出来ず、肉体に意識が戻ってしまいます。

そして、しばらく体外離脱を体験しない日々が長く続きました。そんな体験をしていたことも忘れかけていたある日、再びその浮遊感を感じたのです。

私は「その調子だ!」とそのまま自室を抜け出し、ベランダから外に出てみたのです。勿論この時、ベランダのガラス扉は閉まっています。そこをすり抜けることが出来ました。「向こうの方角へ移動しよう」と思うだけで、その精神的身体はスーッと自由に移動出来るのです。

ベランダから飛び出すと、自分の住んでいるマンションの上空に浮かんで周囲の景色を見渡します。夜の街灯りも鮮明に見えているではありませんか。これがモンローのいう「ローカルⅠ」ということになるのでしょう。

その時です!私のすぐ側に、自分以外の何者かの気配を感じます。最初に体外離脱体験をした時に、感じた恐怖の1つが、離脱した状態で "得体の知れない存在に出会う"ことでした。

今まさにその恐怖が現実のものになるのかと、ふと思いましたが、その時何故か恐怖心はなく、ためらわずにその気配がした方向に目をやりました。

何と、そこには少し小太りの中年男性がいました。パジャマを着ています。「あ!あの人も肉体を抜け出ているんだ」そう思い、話しかけようと相手に近づいた途端、不意に意識が体に戻ってしまいました。この辺りの「第二の身体」のコントロールが、どうやら私は未熟のようです。

またそれから数年が経過しており、浮遊する感覚そのものは何度も味わうものの、鮮明な体外離脱体験は出来ずにいます。

体外離脱を体験するためには

頻繁に体験していた当時は、偶発的に起こるこの現象を何とか意図的に起こせないものかと、試行錯誤しました。それが【明晰夢で人生を変える②(後編)~明晰夢習得方法・効果~】でお話しした「数息観」という密教の修法を利用したものと「筋弛緩法」です。最も効果的だったのは前者の「数息観」です。

目を閉じて「吸う」「吐く」をワンセット1回とカウントし、心の中で呼吸を数えて行きます。数が増えて行く毎に、呼吸が静かに、浅くなって行くことに気付きます。それと同時に肉体の感覚が薄らいで、意識と分離して行くような感覚を得られるようになります。この状態をしばらく維持出来れば、浮遊感がやって来ます。

この方法で、浮遊感を得て、肉体から意識を分離させる、天井がどんどん目前に近付いて来る、というところまでは成功するもの、なかなかその第二の身体を自在に操る、移動するというのは、私には至難の業でした。

体外離脱が私たちにもたらすもの

体外離脱体験者は、会いたい人に会いに行ったり、行きたかった場所に瞬時に移動したり、宇宙空間を自在に飛び回ったという人までいます。好きな場所を思い浮かべただけで、自在に移動出来れば、これほど楽しく、刺激的な体験はありません。

私自身の体験は、これまであまり人には話したことがありませんでした。信じてもらえないから、というのが一番大きな理由です。しかし冒頭でお話をしたように、各国政府や大学などの研究機関による実験・研究で、体外離脱を多くの人々が実際に体験していることは客観的事実として揺るぎないものとなっていますし、それらは軍事目的で利用され、世界に暗躍しているスパイたちが自分の意識を敵国に飛ばして、その国の機密情報を盗み見たり、兵器を使用不能に陥らせたりしているのです。

私の身に起こったことは本当に体外離脱だったのでしょうか。私の脳内だけで完結した現象であった可能性も拭えません。私はどうしても自分が体験したことが体外離脱であって欲しいとは思っていないのです。自分が体験したことを合理的に、理論的に説明出来る仮説があれば、それを許容したいとも思っています。

しかし、やはりどこかで体外離脱という現象にロマンを感じる部分もあったりします。亡くなった愛する人に再会し、行くことが叶わなかった場所へ一瞬で訪れることも出来る。そしてモンローが言う3つの「ローカル」の存在。

体外離脱が現象として存在し得るということが指し示しているのは、私たちに「死」はないということです。そう、「死」とは「終わり」ではなく「始まり」であるということ。先に逝った愛する家族も、肉体という重い衣服を脱ぎ捨てて「意識」を解放させ、今も私たちの計り知れぬ場所で「第二の生」を謳歌しているということを示してもいます。

そう考えると、自分が命を全うし懸命に生きた後には、確かに広がっている未だ見ぬ世界がある。それならば、より今を「愛おしく」、今を「大事に」生きられると...そう思うのです。そして何より、自分の周囲にいる全ての人達、全ての環境を受け入れ、許し、愛することが出来るのではないでしょうか。

悲惨な事件や事故が相次いでおり、明日は我が身だと考えてしまう毎日。明日も今日と同じように確実に側に居続けてくれると思っていた愛する家族が、突然この世から旅立ってしまう、そんな現実をまざまざと見せつけられているかのようです。

体外離脱という現象を、このメディアで取り上げたことを不自然に思われる方がいらっしゃるかもしれません。体外離脱は私たちが「肉体」という物質のみで構成されている生き物ではないことを如実に物語っています。体外離脱によって解き放たれる意識は、私たちの存在そのものです。肉体が滅んでも、その意識だけは不滅である。そうした知恵をもたらし、提示してくれる体外離脱という現象は私たちにとっての福音なのかもしれない、そう思うのです。

皆さんは、どうお感じになられますか?

 

【参考文献】
「魂の体外旅行―体外離脱の科学」ロバート・A・モンロー (日本教文社)
「究極の旅―体外離脱者モンロー氏の最後の冒険」ロバート・A・モンロー (日本教文社)
Defense Intelligence Agency Comments On The Reality of “Astral Projection”

マーク・ケイ のプロフィール

マーク・ケイ

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事に始まり、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で社会問題からオカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。のちにひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動を行う。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた占術『篁霊祥命』や独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2019年で鑑定活動は14年目を迎える。

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