蝶はあの世からの使者?不思議な蝶が伝える「死」と「再生」のメッセージ

2019.5.15

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久保多渓心

久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

滑落した知人を救った蝶

私自身も、こんな話を知人から聞いたことがあります。

その方を仮にAさんと致しましょう。

Aさんはある山に登頂するために、山小屋泊を含めた四泊五日の行程で縦走を始めました。その行程の途中で天候が急変し、視界を遮られて山小屋にたどり着けないまま夜が訪れてしまい、その場でビバーク(緊急避難的に野外で一夜を過ごすこと)せざるを得なくなります。

装備は完璧でしたが、疲労と寒さで体力が奪われる不安にかられます。何とか孤独な夜を耐え抜き、朝を迎えましたが視界の悪さに変化はありません。焦っていた彼は早く山小屋に着きたいと、身支度を整えて先を急ぐ決心をします。しかし、彼は足を滑らせて滑落してしまいます。

幸いそれほど高い場所からの滑落ではないようで、大きな怪我もありません。しかし滑落したせいで登山道から大きく外れてしまっています。未だ視界が悪い中で闇雲に動くと遭難してしまう。そう思った彼はそこでしばらく体力が回復するのを待つことにします。

刻一刻と時間だけが流れます。天候が回復しないことと、登山道を大きく外れてしまった不安、身体の痛みが、彼を焦らせます。すると目の前の岩肌に一匹の蝶が羽根をゆっくりと動かしながら止まっていることに気付きます。蝶はしばらく岩肌に止まっていましたが、数分もするとフワッと舞い上がりました。

何故か彼は「この蝶について行かなきゃ」と思ったそうで、重たい身体を引きずって舞い上がった蝶を追いかけ始めます。少し進むと、蝶はその動きをピタリと止め、また少し進むと、また止まる。彼がちゃんとついて来ているか気遣いながら確認でもしているかのようだったそうです。

どのくらいそうやって蝶の先導で歩いたことでしょう。気付くと見慣れた場所にたどり着いていました。昨日歩いた登山道です。彼はここから元来た道を戻り、山小屋に避難することが出来ました。

下山して調べてみると、ビバークした翌朝に滑落をした現場が判明しました。そこは何と、数ヶ月前に遭難者が息絶えていた場所だったのです。しかもあの蝶が止まっていた岩肌に寄りかかるように遭難者は亡くなっていたのでした。亡くなった遭難者が蝶となって、自分の二の舞にならないように知人の命を守ってくれたのでしょう。

亡くなった者が蝶となって愛する家族の元を訪れたり、時には全く縁も所縁もない人を助けたり、という体験談は意外に多いものです。またその蝶が「亡くなった者」であるという確信を得るに値する不思議な事実の数々もあります。

実は「蝶」はあの世でも、多くの人々にその姿を見せているのです。

「臨死体験」と「蝶」

脳神経外科医のエベン・アレグザンダー氏は突然、細菌性髄膜炎に罹患し昏睡状態に陥った際に「臨死体験」をしています。この時に無数の蝶が飛び交う、あの世と思われる世界(そこは田園風景でエベン・アレグザンダー曰く"ただ美しい、夢のような世界")で、一匹の蝶の羽根に乗った女性が言葉を介さずに語りかけて来た様子が著書「プルーフ・オブ・ヘヴン」に書かれています。

*その蝶の羽根に乗った女性は「あなたは永遠に、深く愛されています」「恐れるようなことは何もありません」「あなたのすることには、ひとつも間違いはありません」と語ったそうです。

「蝶を放つ」の著者である長澤靖浩氏もコンサートの鑑賞中に突然の心室細動に見舞われ13分間に渡り心拍停止となり「臨死体験」をしています。長澤氏もエベン・アレグザンダー氏と似た経験をされています。

この「臨死体験」をしたお二人の著作の表紙には印象的な蝶がデザインされています。  

蝶はあの世からの使者?

死後の世界を垣間見た人々が、花畑に舞う無数の蝶を見たという話は多いものです。「蝶」は遥か昔から「死」と「復活(再生)」の象徴とされています。

これは私たちが通常考える肉体が滅びるという意味での「死」や、生き返るという意味での「復活(再生)」ではありません。蝶は卵から幼虫となり、そして蛹から成虫へと"完全変態"を遂げて美しい蝶へと成長を遂げます。

この変態の様子が人間でいう霊魂の「輪廻転生」を表していると昔の人は考えたのでしょう。つまり「霊的な進化」とも言い換える事ができるでしょうか。人にとって「死」は「終焉」であるのと同時に「始まり」でもあります。「生」と「死」は常に一体であり、蝶はその象徴でもあるのです。

現在の私達は、卵であるのか、幼虫であるのかは分かりません。しかし、進化の途中であることに変わりはありません。苦しさ、悲しさ、寂しさを日々経験していくことで、優しさや慎ましさを学び、人を信じたり、愛したり、許したりすることを習得していきます。

その経験の幅や学びの質に応じて、私達は肉体が滅んだ後、卵から幼虫へ、幼虫から蛹へと霊的な進化を遂げていくのだと思います。蛹から羽化して蝶となった時、私達は蝶の姿のまま愛する家族へメッセージを送るために、この世を訪れるのかもしれません。

このことを古代の人々は本能的に認識していたのではないでしょうか。そしてその観念が長年に渡って積み重ねられ、それがあの世にも投影され蝶が私達の元に、その象徴として姿を現しているのではないかと思うのです。

死と蝶の関係性

「死ぬ瞬間 死にゆく人々との対話」などの著作で有名な今は亡き精神科医エリザベス・キューブラー・ロスは「死」というものについて人生をかけて追求した女性でした。そんな彼女も「死と蝶」についての関係性に興味を持っていた1人です。

彼女の著作によると、ユダヤ人大量虐殺の舞台となった収容所の壁一面に無数の蝶の絵が描かれていたというのです。日々迫り来る「死の恐怖」に苛まれた人々がどんな思いで蝶の絵を描いたのでしょうか。この絵を見た彼女は「蝶の謎」について探求を始めます。

私たちの目の前に、突然現れる不思議な蝶が本当に愛する家族なのか、あの世からの使者であるのか。それは実際に不思議な蝶に出会った時に去来する心のざわつきや愛おしさ、感動だけが証明し得るものです。蝶は私たちが住む生者の世界と、あの世とを繋ぐ架け橋であることは間違いなさそうです。

これから貴方の前に「蝶」が不意に姿を見せたら、先に逝ってしまった貴方の愛する人だと思って話しかけてみてはどうでしょう。

余談ですが、私の自宅に入り込み、父の遺骨の上で羽根を休めたのは恐らく「コミスジ」という蝶ではないかと思います。黒地に白と言えば「スミナガシ」という蝶もいます。そう「スミナガシ」は「墨流し」、私の占術である「篁霊祥命」を連想させる蝶です。

因みに以前の公式サイトのシンボルは「青い蝶」だったのを思い出しました。

 

参考文献

『水木しげるの不思議旅行』第14話「蝶になった少女」より 水木しげる(中公文庫)
『プルーフ・オブ・ヘヴン--脳神経外科医が見た死後の世界』エベン・アレグザンダー(早川書房)
『蝶を放つ』長澤 靖浩 (鶴書院)
『人生は廻る輪のように』エリザベス・キューブラー・ロス(KADOKAWA)

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久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で社会問題からオカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。のちにひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた占術『篁霊祥命』や独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2020年で鑑定活動は15年目を迎える。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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うらなってMe

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